M.R

「想いは、必ず実現する」──信頼でつなぐ営業のチカラ
紙やフィルムといった“情報を伝えるメディア”を届ける中川製作所の営業。その中心で指揮を執る営業部長Mさんは、もともと大手人材会社の営業職でした。その人材会社で中川製作所を担当していた経験を通じて、「誰もが会社の中心になれる」会社だと感じ、当社に転職を決意しました。以来、直販営業の立ち上げから、国内外拠点でのマネジメント、そして現在 営業部門の目標管理・人材育成に至るまで、多面的なフィールドで活躍を続けています。
この記事では、M部長のこれまでの歩みをたどりながら、中川製作所における営業のやりがいや、求められる人物像などについて伺いました。
プロフィール
1993年8月 中途入社。大手人材系企業での営業経験を経て、中川製作所に中途入社。当時はOEMから直販へとビジネスモデルを切り替える転換期で、法人営業の立ち上げや新規取引先の開拓に従事。のちに営業マネージャーを経て、ベトナム工場の責任者として海外駐在も経験。現在は営業部長として営業部門の目標達成状況の管理や人材育成に力を注ぐ。
「誰もが会社の中心になれる」─中川製作所を選んだ理由
—M部長は、当初、中川製作所に中途入社されたと聞いていますが、どのような経緯で入社されることになったのですか?
前職では大手人材系会社で営業職をしていました。実は、中川製作所は、私が営業担当をしていた会社の中の一社だったんです。大企業ではどうしても従業員数が多いこともあり、個人の成果が埋もれがちですが、当時の社長(現在の会長)の話を聞いていく中で、中川製作所は一人ひとりの働きがきちんと会社の中枢に届いていると感じられたんです。「誰もが会社の中心になれる」─―そう確信できたのが、入社を決めた大きな理由でした。
—当社に営業担当者として来られていたんですね。他にも魅力に感じたポイントはありましたか?
ありますね。当時の社長(現在の会長)はバブルの最中でも紙加工という“本業一本”で事業を続け、着実に成果を出していました。投資などに走って利益を出そうとする会社が多い中で、この実直な姿勢にも深く共感しました。現在は社長が代替わりましたが、「本業で社会に貢献し、持続可能な企業を目指す」という点で、その理念は変わらず、今も100年企業を実直に目指しているところに、中川製作所の一貫した強さを感じています。
転換期に飛び込み、地道に築いた“直販”の礎
—入社当時の中川製作所はどのようなフェーズでしたか?
私が入社した当時は、ちょうどOEM中心の事業から、当社製品の最終ユーザーとなる法人のお客様に販売を行う「直販」の軸で事業強化を図っている時期でした。中でも、私はプリンター用紙の販路拡大を目的として、企業への電話営業の業務からスタートしました。今のように情報がすぐに手に入る時代ではありませんから、いかにして「必要としてくれる会社を探すか」「中川製作所の製品の良さを伝えるか」が勝負でした。地道にアポイントを取り、足を運び、実際の製品を手に取ってもらって、少しずつ実績を積み上げていったんです。
—そこから営業のフィールドをどう広げていったのですか?
ある程度直販の営業スタイルでプリンター用紙販売の実績ができた後、スーパーを運営されている大手企業様や、事務用品の大手商社様との新規取引を開拓しました。それぞれの業種・業態に合わせて最適な製品提案を行い、製造部門と連携しながら仕様を調整することで、評価をいただけるようになりました。その後、私自身は国内営業のマネジメントにも携わるようになり、部下とともに更なる直販営業の礎を築くべく地道な活動をつづけました。そうした経験が、今の営業部門の組織づくりにも活きていると思います。
ベトナム駐在で得た視座と、営業部長としての使命
— 海外赴任の経験もお持ちだそうですね。どのような業務を担当されたのですか?
50代になってから、当社のベトナム工場の責任者として赴任しました。主に、日本で受注したラベル製品の上流製造工程を担い、日本へ輸出するという流れの中で、製造管理・品質管理・人材育成など幅広く担当しました。現地では文化や考え方の違いもあり、最初は戸惑うことも多かったのですが、「一緒に良い製品をつくる」という目標はどの拠点においても共通です。社員の声に耳を傾け、丁寧に信頼関係を築くことを大切にしてきました。現場を支える人たちの生活や未来に直結する仕事だという実感を持って臨んでいましたし、日本での営業とはまた違う、強い責任感とやりがいがありました。
— 現在は営業部長として、どのようなことに力を入れていますか?
営業目標達成状況の進捗管理に加え、将来中川製作所の営業部を牽引していけるような管理職の社員育成に特に注力しています。営業職は「数字を作る」仕事ではありますが、数字の背景にあるのはお客様との信頼関係です。一件の受注をいただけるまでに、長い時間をかけて信頼を積み上げていく。その過程をおろそかにせず、丁寧に仕事を重ねていく姿勢を、部下たちには伝えていきたいと思っています。営業という仕事には、すぐに結果が出ることもあれば、数年越しで実を結ぶこともあります。大事なのは、すべての行動が必ず何かの形で未来につながると信じること。「想いは必ず実現する」これは私自身がこれまでのキャリアの中で実感してきたことですし、今も胸に刻んでいる言葉です。
単純に“売る”のではなく“相手に響く”営業を
――想像力でつくる信頼関係
—どんな方が中川製作所の営業職に向いていると思いますか?
一言で言えば、「相手の立場になって物事を考えられる人」ですね。
営業というと、自分の提案を押し通すようなイメージを持つ方もいらっしゃるかもしれませんが、当社の営業は、お客様が困っていること、もしくはまだ言語化されていない潜在的な課題に対して、「こういう使い方をすればもっと便利になるのでは」「この仕様なら業務が楽になるのでは」と想像力を働かせながら提案していく仕事です。お客様の業種も規模もニーズも様々なので、教科書通りの対応では通用しません。相手の立場に立って、本当に必要なものを考え抜く力が必要です。
—社内でもそういった「相手の立場になって物事を考えられる」という素養が重要な場面がありますか?
そうですね。お客様のニーズに応えるためには、社内の製造部門・開発部門・品質管理部門、さらには購買や物流など、多くの部署との連携が欠かせません。その中で、ただ「これやってください」と言うのではなく、「なぜこの対応が必要なのか」「どのようなやり方であれば現場も無理なく対応できるのか」といった配慮も営業の大事な仕事の一つです。社内外問わず、“相手の立場で考え、行動する”という姿勢が重要なんですね。
—人柄やコミュニケーション力も大事なポイントでしょうか?
ええ、それはとても大きいと思います。やっぱり、「この人の話なら聞いてみよう」と思ってもらえる営業であることが大切です。お客様が忙しい時に、心を開いてもらえるかどうかは、普段の関係性の積み重ねにかかっています。人の懐にスッと入るのがうまい人、自然と親しみやすさを感じさせる人は、やはり営業として強いですね。饒舌である必要はありません。むしろ、相手の話をしっかり聞き、必要なときに的確な一言を添えられるような、そういう「間の取り方」が上手な人が信頼を得やすいんです。お客様だけでなく、社内の仲間からも「この人の頼みなら聞こう」と思ってもらえる。そういう人間力が、営業では何よりの武器になります。
―最後に、就職活動中の学生さんにメッセージをいただきたいです。
就職活動をしていると、「誰もが知っている大手企業」に目が行きがちかもしれません。でも、「有名だから」「安定しているから」という理由だけで選んでしまうと、入ってから「何か違うな」と感じることもあると思います。中川製作所のような中堅・中小企業にも、実は大企業にはない魅力がたくさんあります。たとえば、若いうちから重要な仕事を任されたり、自分の提案が形になったり、会社の中での存在感を強く感じられるのは、こういった規模感の会社ならではのことです。
また、当社営業職は海外への駐在を希望しない限りは転勤もなく、ライフプランを自分でコントロールしやすい環境があります。「自分のライフプランに合った働き方」を大事にしたい人には、非常にマッチすると思います。
自分にとって何が大事なのか、自分の軸をしっかり持って、企業を見る視点を増やしていってほしいです。いろいろな人と出会って、話を聞いて、その中で「ここなら頑張れる」と思える会社を是非見つけてください。就職活動が、人生の選択肢を広げる素敵な出会いの場になることを願っています。
2025.6.23 記事作成